Simple  

  

  

オリジナル発売日: 1994.3.10

  

 

     

                         

【収録曲】

 

曲名

作詞

作曲

編曲

カヴァー元 < >はセルフカヴァー

1.

どうしてよ

朝水彼方

柴野繁幸

松本晃彦

2.

出会わずにいられない

朝水彼方

上野圭市

松本晃彦, Dick Lee

3.

I Love You につつまれて

松井五郎

浦田博信

浦田博信

<不如重新開始 「戀愛在不遠處等我」 日本語版>

4.

Sweet Blue

青木せい子

杜自持

杜自持

<野花 「一輩子心情」 日本語版>

5.

My Dear My Love

青木せい子

尾崎亞美

杉山卓夫

6.

決心~Re-Mix Version

朝水彼方

山田直毅

松本晃彦

<Sandy '94 「決心」 日本語版>

7.

もしもあなたに逢わなければ

松井五郎

吉尾公弘

杉山卓夫

8.

あなたに贈る

青木せい子

Dick Lee

陳明道

<野花 「野花」 日本語版>

9.

シンプル

朝水彼方

羽田一郎

杉山卓夫

10.

どこまでもこの道を

松井五郎

李迪文

黃偉年, Dick Lee

<回來愛的身邊 「暖暖紅塵」 日本語版>

11.

だからって…

澤ちひろ

上田知華

杉山卓夫

 

 

 

 

 

 【リリース情報】

  

CD (日本盤)

PICL-1072 1994.3.10 * パイオニアLDC * ¥3,000 

 

CT (日本盤)

PITL-1072 1994.3.10 * パイオニアLDC * ¥2,800 

 

CD (台湾盤)

RD-1327 1994. * 滾石唄片 * 

帯付き、帯コピー: LOVE SANDY · LOVE SIMPLE” 與林憶蓮共享光榮時刻

 

CT (台湾盤)

RC-478 1994. * 滾石唄片 * 

sideA: 1-5, sideB: 6-11

 

CD (香港)

NCSL 0511-2 2005. New Century Workshop  

帯付き、販売はEMI Music Hong Kong

 

配信

AppleMusicSpotifyで配信されているものの、残念ながら日本から本作を聴くことはできません

 

 

 

【クレジット】

 

Produced by SUMIO MATSUZAKI, CLARENCE HUI

Directed by KAZUYA EBINE

Co-Produced by TAMAKI ENDO (TBS), KAORU ISHIKAWA (BULLDOZER)

 

Mixing Engineers: KUNIHIKO SHIMIZU (3, 4, 5, 7, 8, 10, 11),

Mixing Engineers: NOBUO MAEDA (1, 2), MASAO TEZUKA (6, 9)

Recording Engineers: SATOSHI YOSHII, TSOI PUN KIT

Assistant Engineers: TAKASHI KOIWA, KATSUHIRO NAGANO, HIROHITO FUJISHIMA, TATSUYA KAWAKAMI

Recorded at: AMUSE, NICHION, SOUND SKY, SOUND INN, FREEDOM,

Recorded at: HITOKUCHIZAKA, ONKYO HAUS, SUNRISE, WESTSIDE,

Recorded at: R&B (HONG KONG), CBS. SONY (HONG KONG)

Mastering Engineer: BOBBY HATA

Recording Coordinated: FUMIO MIYATA

 

Artist Management: YUKA MIZUGAKI

Artist Promotion: S Project

Designer: SUTESHI SAWAMOTO (D.D.)

Photographer: MASAO ONO

Stylist: YUKA KIKUCHI

Visual Coordinator: TAKEHIKO NISHIDA (SMC), MITSUAKI TAKEDA

Supervisor: TAKASHI OGAWA, EISUKE SAITO, TOSHIYUKI ECCHU

Executive Producer: KUNIHIKO OTSUKA

Special Thanks:

SUSUMU KAWADA, YUMIKO FUJII, RYOJI NAGAI,

KEI FUKUCHI, AIRI TOKUTOME, TOMOKO YAMAGUCHI,

TATSURO NISHIMURA, TOMOKO IKENAGA, HOWARD LEE

 

 

 

【メモ】 

 

·      日本発売の日本語歌唱アルバム。90年の日本盤発売、91年の日本公演、93年のアルバム日本制作などを経て迎えた日本市場進出の一つの結実という感じの作品です。

·      台湾進出を成功裏に収めたサンディは次なる市場として日本進出を目指し、93年にアミューズと2年間のマネージメント契約を結びます。また、本作への準備も兼ねて93年の「不如重新開始」では日本の作家作品を取り入れ、レコーディングなどのスタジオ作業も日本で行われました。本作はパイオニアLDCから完全な日本盤として発売されました。価格も国内盤の¥3,000

·      構成はほぼ書き下ろしですが、4曲は過去作から。書き下ろしの「だからって・・・」と「どうしてよ」は先行してシングルを切っており、それぞれTBS系ドラマ「徹底的に愛は…」挿入歌、カメリアダイヤモンドのCMソング。プロデューサーの許氏によると、当時の日本ではタイアップが無いと売れなかったため、その枠を取るのに苦労したそうです。過去作については「既存の中華圏のファンにも楽しんでもらいたい」という想いから。CRAZY FOR SANDY「許願回顧録」より)「だからって・・・」発売時にはなんとテレビ朝日系「ミュージックステーション」に出演しています。

·      とにかく驚くのが日本語がめちゃめちゃ巧い。中国人っぽいクセがほとんどありません。「ポポロ」19939月号によると、サンディ自身もこの時期、東京の目黒に住み、日本語を勉強していたそうです。サンディによると濁音の発音が非常に難かしく、とくにアップテンポの「決心」の歌唱に苦労したそうです(新星堂「Pause」、「JUNON938月号より)。彼女は比較的日本語と発音が近い上海語も話せるため、それを足掛かりにして日本語を習得していったようです。またあいまいな表現が特徴的な日本語詞の理解のために、英語と中国語の訳詞を用意してもらい、詞の全体感を掴んだそう。「月刊カドカワ」944月号のインタビューでは、本来は内気で自分の気持ちを表現するのが苦手だと語るサンディは、歌を通じてなら素直な感情を解き放つことができると語っています。「今回『シンプル』という日本語のアルバムをつくるときに考えたのも、自分の気持ちを素直に表現しよういうことでした。歌のヒロインたちは、内面的な強さを持っています。」その素直に表現するために日本語の習得が必要だったんでしょうね。

·      日本語で歌唱する意義についてサンディは沢山のインタビューに答えています。「私、その国でCDを出すなら、その国の言業で歌いたいと思っているんです。シンガーとしてのスピリットをわかってもらうためにもね。」「私の歌のテーマは、愛です。それは男女問の恋愛だけでなく、人間同士というスケールでの愛なんです。歌うことで人と人との距離を縮めていけたらいいな、というのが私のポリシー。私の歌を聴いてもらって、日本のみなさんにもポリシーをしっかりと伝えていけたらそれが今の私の、最大の願いですね」(「JUNON938月号)「音楽は言葉が壁になってはいけない、というのが私の信念。人々がどんな気持ちで何を表現しているかを知るためには、その国の言葉で歌うことが必要なんです」「音楽を通じていろいろ な国の人と交流を持つこと が、自分の音楽を深めています。まずはアジア全域に活動の場を広げたい」(都営地下鉄沿線ガイド「ぴっくあっぷ」199311月)

·      オリコンによると売上は0.4枚。当時、CDバブルに突入しかけていた日本の音楽市場では、商業的にはなかなか厳しい結果でした。ちなみにシングル「だからって」(PIDL-1085)4.3万枚、シングル「どうしてよ」(PIDL-1102)2.0万枚。広東語の過去作・日本盤はオリコンウィークリーTOP100にランクインした記録がないので、相対的に低いにしても日本では一番売れた作品になります。

 

管理人の感想

上にも書いてますが日本語がめちゃめちゃ巧いんですよね。もちろん数か月習っただけでは話したり聞いたりは出来ないと思うので、暗記に依るところが大きいと思うのですが、だからこそすごいと思います。私は中国語の標準語(北京語)が少しわかる程度なので、広東語のことまでは分からないのですが、標準語の方は日本語のように濁音が豊富に無いんですよね。有気音を「da」のようにアルファベットで表記したりはするのですが、これは日本人が聞くと「た」に聴こえます。だから中国人の日本語って「だいすきです」が「たいすきてす」って聞こえる感じ。でも彼女の歌はこの濁音がすごく自然。外国人が歌ってるようには聴こえないんですよね。あのテレサ・テンですらここまで自然には歌えてないと思います。そんなわけでまず日本語の巧さに圧倒されてしまうのですが、ただ、「あのサンディが歌ってる!」って感じがするかと言うと・・・ノーかなぁ。上手いんですけど、サンディ・ラムの歌を聴いてる感じはあんまりしないんですよね。まぁ、普段は広東語の歌を聴いてるわけですから、もちろん同じには聴こえないんですけど、そういう理屈抜きのサンディ感が感じられない。。。それが影響してるかは分かりませんが売上は4,300枚。94年の年間TOP50位の平均って60万〜70万枚くらいあるので、その1/100とかなんですよね。売上の比率から言えばですが、日本人はほとんどの人が日本語の曲しか聴かないですし、ましてや中華圏の歌ってさらに聴く人が少ないので、ヒットを狙う場合、日本語で歌うってのは正しい選択だったとは思います。ただ、1stシングルの「だからって…」は良い曲なんですけど、多くの人に初めましてとなるシングルでなんでこんな渋い曲にしたんだろうな?って思います。当時ってCDバブルに入ってた時期だと思いますが、若者消費で成り立ってた気がするんですよね。「だからって…」はさすがに若者は聴かないでしょう。。。当時だと桂銀淑とかマルシアとか日本語で歌う外国人のヒットはあったと思うのですがあくまで「歌謡曲」って感じで若者は聴かないですし、ヒットとは言え売り上げもそこそこだったと思います。「だからって…」ってそこのくくりに入れられちゃう気がするんですよね。もちろんカップリングの「決心」とかアルバム曲聴けば歌謡曲の人でないのはわかるのですが、もう最初の「だからって…」で若者は桂銀淑とかマルシアのくくりに入れて眼中にない感じになったんじゃないかと思います。まぁ若者狙ってたかどうかはわかりませんが、当時は若者狙わない限り「ヒットした」って結果は得られなかったと思うんですよね。ただ、94年は日本人が歌う若者向けの曲でももう聴ききれないくらい山ほどリリースがありましたし、外国人が歌う日本語歌謡ブームみたいなものはとっくの昔に終わってましたから、なんせ難しい時期だったと思います。でも日本人にとって都合の良いエキゾチック感・チャイナ感、だけで聴かれるんじゃなくて、日本人向けに日本語で歌うというのは表現者として立派ですし、日本語のクオリティ聴く限り本当に真摯に果敢に、そしてプライド高く(なんというか、たどたどしい日本語の可愛さににすがることなく)挑まれたんだなと思います。売上も少ないとはいえ、過去の広東語作品よりは売れてますし、そういう意味ではひとつの結果を残してる作品だと思います。サブスクで手軽に音楽を聴けるようになった今、再びサンディの作品がたくさんの日本人に聴かれると良いなと思います。(ただ、アミューズかパイオニアLDCの後継会社が許可してないのか、この「Simple」は日本からはサブスクで聴くことが出来ませんT T。海外からは可能です。)